SAW4(ソウ4)解説・解読 ストーリー編3
非常に美しいカットで始まりますね。ここは霊廟。先祖を祭っている場所です。
大男はトレヴァー、後で目覚める男がアートと言います。
このシーンは、先程のジョンの司法解剖から時が遡っています。
何故霊廟か?この場所を選出した意図ははっきり分かりませんが、ゲーム遂行者が明らかに「ジョンではない」という判断は出来ます。ジョンは常に暗く閉ざされた、主に建物の地下を好んでゲームを行っていたのに対し、この美しく神聖な場所は「ジョンとは違う誰か」の伏線とみなす事が出来るでしょう。
さて、先に気が付いたのはトレヴァーです。何と瞼がガッチリ縫われ視界を閉ざされているではありませんか!?ここが何処で自分がどうなっているのかサッパリな訳です。自分の首に掛けられた鎖を引っ張ってみると、その先にアートがいてようやく目を覚まします。ところがアートはと言うと、口がしっかりチャック状態;いやぁ、私はここでゾクッとしましね。このシュチュエーション最高です。一人は「ギャーギャー」もう一方は「ウゴウゴ」;これでは意思疎通は不可能です。アートは説明したいが出来ない為に、暴れるトレヴァーに立ち向かうしかなく、そんなこんなで目の見えるアートはトレヴァーの鉄の首輪の後ろに取り付けられた鍵を見付け、どうすれば逃げれるのか頭の回転の速いアートはこの状況下で理解するのです。そして鎖を片方(トレヴァー)が手前に引っ張った為タイマーのピンが抜け、二人の真ん中に置かれた装置が作動し始めます。
この装置の仕掛けはと言うと、お互いの首輪が1本の鎖で繋がっており、時間と共にその鎖は巻き取られていき、巻き切った時は首の骨が折れてしまうというもので、2人それぞれの首の後部に取り付けられた鍵を、相手の南京錠に差込み首輪から鎖を解除出来る為、時間内にそれが出来れば、共に助かる可能性があるのですね。しかし目の見えない一方が全く理解出来ない故、一方が説明してやればいいのですが、残る一方は口が開かず力ずくで押さえる以外に方法はありません。こうなれば目の見える方が完全に有利な状態に置かれるのは容易に推測出来ます。そうです。ジグソウはアートに勝たせたかったのです。
だからこそ、ジグソウゲームで初めてテープでのルール説明が一切なく、二人の関係も成り行きも名前さえも不明なままの展開となっています。これは後にアートが関係してくる為にそのシーンまで謎を引っ張り、観客を誤魔化すのにも最適な手段といえますね。
アートにはどうしても次のゲームに必要な為に成功して貰わねばならない、彼の失敗が今後のメインゲームの予定を変えてしまうからです。ここでアートに死なれると元も子もありません。
では、そんなリスクを冒してまで何故メインゲームで初参戦にしなかったのか、それはモーテルの部屋を借りたり、住所を移したり、廃小学校の名義やあらゆる手続きが事前に必要で、何よりもそのメインゲームの監視を全うに遂行する事が一番重要であったからです。突然ゲームの監視役では、あの首の釜装置だけでは、アートに恐怖感が足りず逃げ出す可能性が高いのです。今回のこのゲームでジグソウが本気で死のゲームをしてる事を身をもって体験する事でメインゲーム成功の確立がグッと上がります。だからジグソウはロウリスクでハイリターンなこの形を選んだという訳ですね。ここでアートが目を縫われていたら、死んでしまうので生き残れる確立の高い「口」になってるんですね。
この「口」と「目」ですが、ひょとして彼ら二人に関係してる可能性もあるんじゃないかな?と少し思いました。
アートは後に弁護士だと作中で把握出来ますよね、この弁護士という仕事は「口」が命です。その「口」を奪われています。ならばトレヴァーも「目」に関する過ちを起こしていたという憶測は可能ではないでしょうか?アダムのような盗撮、ダニカのような目撃証言など・・・
例えば「覗き」が趣味で、アートに過去に弁護された人物かもしれません。逆に目撃者と弁護士として審議場で言い争った関係かもしれません。どちらも有り得ます。もしそうなら二人の関係はこのゲームにピッタリな内容ですよね。
「覗き」も出来ない、「弁護」も出来ない、お互いが「仕事(趣味)」が出来ず、どちらが「罪」なのか勝負。1本の鎖を引き合い、綱引き合戦。ギャラリーは横に眠る死体。いや、陪審員とでもいうべきか。だから霊廟?
ま、結局トレヴァーの事は監督コメントやインタビューでも全く補足されていませんから、彼の詳細は一切不明ですのでこんな想像位でいいんじゃないでしょうか?
さて、二人は大暴れですね。凄い迫力です。腕力のなさそうなサラリーマンかと一見思いますが、これが結構アートもやるモンですよね;大乱闘の末、アートは時間ギリギリでトレヴァーの頭を何度も殴り、鍵を手にし首輪から鎖を外せましたね。その際縫ってた口が裂けてしまい流血します。ジグソウの思惑通り、アート勝利です。
因みにこのアートがトレヴァーを撲殺するシーンですが、殴る映像自体が劇場版よりもグロさが倍増しています。
場面は又暗いカットへ。SWAT達が突入の準備をしている光景に移ります。
ここからはアートが行方不明になって2週間後、ジョン遺体解剖の前日となります。
小さな戦車のようなカメラが先を進みます。これは実際SWAT突入で使われる本物のマシンで、撮影用にレンタルしてきたらしいです。
この小型カメラに映し出されたのがケリーの姿・・・リッグは突然走り出します。この時ホフマンがこう言いますね、「中に入るな!(NOT OPEN THE DOOR)」です。これがリッグに対するホフマンからの忠告。DMになります。あわてたリッグはケリーを助けたい一身で警告を無視し中へ入ってしまいます。リッグはカメラに映ったケリーがまだ生きていると早合点してしまったのです。ケリーは既に腐乱死体となり無残な姿に変わり果てています。リッグは又自分を責めるんですね、助けられなかったと。
ここでホフマンは携帯で誰かと会話するカットが意味深に写されます。
現場検証が始まり、突入の役目の終わったリッグは自分の不甲斐なさに座り込みます。そこへホフマンがやって来て、二人の会話が始まりますが、さぁ、SAW見所のDMオンパレードです。ホフマンはSAW4でほぼセリフがDMだと別記事に書きましたがリッグとの会話は特に重要なのです。要は裏でホフマンはリッグに常に警告していたという心優しきナイスガイ(?)。
「死にたいのか?未確認の扉は開けるな」
「モットーだ”命を大切にしろ”とさ」
「我々が選んだ道だ。帰れ(GO HOME)。」
このようにSAW4ではホフマンのセリフにはジグソウとしての言葉がリッグに随所に吐き出されていたのです。
仕事終了でリッグは署へ戻ります。それと入れ替わりに突如FBIの2人が登場ですね。男はストラム、女性がペレーズと自己紹介。このような異常連続殺人事件に今更FBIってのも突っ込み所ですが、びっくりなのはケリーがFBIの連絡員だったという事実。
これでケリーがゲームの被験者となった理由がはっきりしましたね。3でのケリーのゲームには余りにも理由という理由が無かったからです。
ホフマンはケリーが連絡員だと内部情報で知り、どこまでFBIに密告しているのか、ケリーをあのままほっておくには危険だったという事なのです。しかもアマンダによって殺されてしまい、その上に発見までの4日の内にFBIへ手紙を出すなど完璧な下準備です、まるで「SAW」のアダムのような利用の仕方ではありませんか?
ここで無愛想なストラムは「扉を開けて、そこに私が」と、鍵をホフマンに投げ付けます。何の事だか分からないホフマンは尋ねます。
「最期のメッセージと共に届いた鍵だ。意味は?」とストラム、「さぁ???」とすっ呆けるホフマン。ここでもストラムは敢えてホフマンに「意味は?」と投げかけます、ホフマンが協力者だというDMですね。するとフィスクが「薬莢が見付かりました。死体と装置の間に。」とホフマンに告げにきました。これは変な話です、薬莢が死体と装置の間に挟まるなんて、そんな不思議な事ありません。人間が空を飛ぶ位有り得ない話です。薬莢というモノを説明しますと、銃の弾丸を飛ばす為に発射薬を詰める容器で、弾丸だけがマトに飛んで行き薬莢そのものは、発射されると外れ下に落ちるのです。ですから物と物の間に挟まるだなんて有り得ないのです。という事は100%誰かが挟んだという事になります。
そしてFBI達を遺体場所へ案内すると、「アマンダの仕業だ」と決め付けてペレーズに放つも、即座にストラムに否定されます。
「じゃ滑車を使ったかも」にも否定、気を悪くしたホフマンは「何故ここへ?」これはホフマンの嫌味ですね。太刀打ち出来ない相手に会話を逸らし「ウザい」と言わんばかりのセリフです。本来ならこのストラムとのシーンは重たい雰囲気で撮影したかったでしょうが、そうするとホフマンが犯人ではないかという伏線が丸出しになってしまいます。
監督はFBIのストラムをウワテに見せ、ホフマン役は軽くバカっぽい雰囲気を醸し出しています。
ところでこの「アマンダの仕業」と皆さん突然「何故?」と思われた事でしょう。私もびっくりしました。わずか4日前のトロイの現場では、ケリーが「ジョンではなく他の誰か」を指摘し、決してアマンダとは言ってないんですよね;
アマンダと言うからには、2のダニエルの証言があってこその推理かと思いたいですが、2のゲームより既にもう半年が経過しています。半年間もダニエルの証言さえ参考にならず、4日前まで協力者が誰か全く推測出来なかったわりに、部外者のFBIまでもがアマンダという結論に何の疑問も感じていないのです。この辺の設定には無理がありますね。まぁ、流しましょうか;例えばこの4日間でホフマンがアマンダだとホシを上げたという事にしておきましょう。
取りあえず現場捜査は一段落し全員、署に戻っていきます。
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コメント
シリーズを全く観ずに映画チャンネルでSAW IVを観て、ラストの方が
ちんぷんかんぷんでこちらの「ストーリー編」でお世話になっています。
そこで教えていただきたいのですが、解説に出てくる「DM」というのは
何の略としてお使いでしょうか? お恥ずかしいのですが、
「ダイレクト・メール」「ダイイング・メッセージ」しか浮かばずに
読解に少々苦労しております。
投稿: 迷い子 | 2009年6月 1日 (月) 12時57分
迷い子さんへ
どうもはじめまして^^
参考にして頂き大変嬉しい限りです。ありがとうございます!!
とんでもございません。私の不手際です。
DMとは即ち「ダブルミーニング」(double meaning)を指しており、おそらくこう申せばご理解して頂けるかなと思いますが一応説明させて下さい。
(因みにここでの説明上多く扱う為に、私が勝手に略しておるだけですので他ではあまり使用されないと思います。当サイトの別記事にて省略の意味を記入しお許しを請うております。→http://saw-world.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_929a.html)
ごく簡単に言いますと、文等で一つの言葉に同時に二つの意味をもたせる修辞法。又は一つの語に二つ以上の意味をもたせる修辞法を指します。
これで少しでも迷い子さんのお助けになれれば良いのですが;
本当に申し訳ありませんでしたm(_ _)m
又何かありましたらどうぞお気遣い無くおっしゃって下さい^^
P.S.
SAW4から突然観られて興味をお持ちでしたら、一作目からご鑑賞されると面白く感じられると思いますので是非とも観て頂きたいですw
ついでと言っては何ですが、SAWシリーズはラストのドンデン返しが一番見ものなので、ネタバレが大変多い為、未鑑賞の作品に至ってはネット上で検索される前に過去作品をご覧になって欲しいなと切に願います^^
投稿: LYNX | 2009年6月 2日 (火) 00時55分